特集 関節リウマチ
セミナー 関節リウマチ患者を診療するうえでのポイント
関節リウマチ患者における感染症対策
田中 榮一
1
1東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学分野
キーワード:
関節リウマチ患者における感染症対策
,
▶RAは感染症や入院を必要とする重篤な感染症のリスクが高い疾患である.
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▶RA患者における帯状疱疹は,日本では明らかに罹患が多いため,その対応は喫緊の課題である.
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▶RAの疾患活動性も感染症のリスクである.
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▶GCは,独立した最も強い感染症のリスク因子であり,用量依存性がある.
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▶生物学的製剤やJAK阻害薬の全例市販後調査における投与開始から6ヵ月間の重篤な感染症は2~4%程度で起こっている.
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▶肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは多くのRA患者において積極的かつ定期的な接種が推奨されている.
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▶生物学的製剤投与前には,結核やB型肝炎の適切なスクリーニングが必須である.
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▶NTMは,呼吸器専門医との連携で加療を行っていくのが望ましい.
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▶PCPの発症リスクが高い患者ではST合剤の予防投与を考慮する.
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▶全例PMSでは,帯状疱疹はJAK阻害薬にて明らかに頻度が高い.
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▶帯状疱疹のリスクが高い患者においては,サブユニットワクチンの積極的な接種が推奨される.
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▶日々の診療において,手洗い,うがい,消毒,マスク着用などの感染症予防の基本を,徹底的に指導することが必須である.
Keyword:
関節リウマチ患者における感染症対策
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▶RAは感染症や入院を必要とする重篤な感染症のリスクが高い疾患である.
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▶RA患者における帯状疱疹は,日本では明らかに罹患が多いため,その対応は喫緊の課題である.
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▶RAの疾患活動性も感染症のリスクである.
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▶GCは,独立した最も強い感染症のリスク因子であり,用量依存性がある.
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▶生物学的製剤やJAK阻害薬の全例市販後調査における投与開始から6ヵ月間の重篤な感染症は2~4%程度で起こっている.
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▶肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは多くのRA患者において積極的かつ定期的な接種が推奨されている.
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▶生物学的製剤投与前には,結核やB型肝炎の適切なスクリーニングが必須である.
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▶NTMは,呼吸器専門医との連携で加療を行っていくのが望ましい.
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▶PCPの発症リスクが高い患者ではST合剤の予防投与を考慮する.
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▶全例PMSでは,帯状疱疹はJAK阻害薬にて明らかに頻度が高い.
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▶帯状疱疹のリスクが高い患者においては,サブユニットワクチンの積極的な接種が推奨される.
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▶日々の診療において,手洗い,うがい,消毒,マスク着用などの感染症予防の基本を,徹底的に指導することが必須である.
pp.1219-1225
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.08_016
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はじめに
近年,アンカードラッグであるメトトレキサート(MTX)や生物学的製剤の導入により,関節リウマチrheumatoid arthritis(RA)治療は急速に進歩し,臨床的寛解が現実的な治療目標となった.一方で,これらの薬剤による免疫抑制効果に伴い感染症のリスクも高まることが知られており,RA患者における感染症対策は極めて重要である.また,高齢RA患者では,加齢に伴う薬物代謝機能低下,免疫機能低下などにより,感染症のリスクがさらに高まるとされている.

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