いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第7章)消化管
好酸球性食道炎と好酸球性胃腸炎の診断と治療を知る
木下 芳一
1
,
石村 典久
,
石原 俊治
1島根大学 医学部第二内科
キーワード:
Steroids
,
食事療法
,
生検
,
胃腸内視鏡法
,
Proton Pump Inhibitors
,
食道炎-好酸球性
,
胃腸炎-好酸球性
,
腹部CT
Keyword:
Biopsy
,
Diet Therapy
,
Steroids
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Proton Pump Inhibitors
,
Eosinophilic Esophagitis
pp.1150-1154
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044854
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好酸球性食道炎は中年のアレルギー疾患を有する男性に発症しやすい.主訴は嚥下障害や胸やけで,血液検査で好酸球増加がみられるのは30%程度と少数である.診断には内視鏡検査が重要で食道に縦走溝,輪状収縮輪・狭窄,白斑を認める.生検では食道粘膜上皮層に多数の好酸球の浸潤を認める.プロトンポンプ阻害薬(PPI)に反応して好酸球浸潤が消失し症状も軽快する例がある.PPIに反応しない例には局所作用ステロイドの経口投薬を行う.好酸球性胃腸炎は胃や腸に多数の好酸球が浸潤する疾患で中年の男女に起こる.半数がアレルギー疾患の病歴を有する.診断にはCTなどの画像診断と生検あるいは腹水の細胞診が重要である.治療にはステロイドが用いられることが多いが治療抵抗性のものも多い.
©Nankodo Co., Ltd., 2015