Clinical Report 筋ジストロフィー症例報告
ウルリッヒ型筋ジストロフィーの変形性股関節症による慢性疼痛に対してブプレノルフィン貼付剤が有効であった1例
石﨑 雅俊
1
1独立行政法人国立病院機構熊本再春医療センター脳神経内科
pp.22-24
発行日 2023年11月20日
Published Date 2023/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0119.03.01_0022-0024
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ウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー(Ullrich congenital muscular dystrophy:UCMD)は基底膜蛋白質6型コラーゲン遺伝子(collagen Ⅵ)異常により発症し,先天性の筋力低下,筋萎縮,近位関節の拘縮と遠位関節の過進展を特徴とする疾患である1).本患者は,7歳時に当院へ入院し,10歳代より元疾患に伴う呼吸不全の進行によって非侵襲的陽圧呼吸(noninvasive positive pressure ventilation:NPPV)開始となった.35歳頃より,股関節変形に伴う慢性疼痛が著明にみられるようになり,生活に支障をきたすようになった.変形性股関節症に関して,整形外科的には手術適応と考えられたが,全身麻酔による手術が必要であった.本人は気管内挿管や将来的な気管切開は希望しておらず,手術ではなく薬物療法による症状の緩和を希望され,非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal antiinflammatory drugs:NSAIDs),抗不安薬,抗うつ薬を投与したが効果に乏しかった.
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