徹底分析シリーズ 薬物の投与経路とその効果
コラム:貼付剤の可能性
天野 智史
1
Satoshi AMANO
1
1久光製薬 研究開発本部経皮1チーム
pp.208-211
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200513
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ドラッグデリバリーシステム drug delivery system(DDS)とは,薬物の体内動態を制御することで,治療の最適化を達成する製剤技術である。この概念にもとづく薬物投与ルートの一つである経皮吸収システムtransdermal drug delivery system(TDDS)は,先進的なDDS技術として注目され,長年,研究開発されてきた1)。特に,1980年に米国で上市されたスコポラミンにはじまり,多くの薬物に応用されてきた。全身性TDDS製剤は,患者の生活の質(QOL)を向上させる剤形として臨床で広く用いられている。
本稿では,TDDS製剤の中でも汎用されている貼付剤について,剤形の特徴,有用性を述べる。さらに,TDDS製剤の今後の可能性について言及する。
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