Clinical Report 筋ジストロフィー症例報告
DMDの早期発見・介入の観点
舩戸 道徳
1
1長良医療センター第二小児科 医長
pp.24-27
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0119.01.02_0024-0027
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症例症例:20歳代の男性.経過:本患者の経過を表に示した.周産期・新生児期在胎37週4日,体重2,700gで出生.周産期・新生児期に特記すべきことなし.幼児期1歳2ヵ月で独歩可能.3歳児健診までに発育・発達面での異常の指摘なし.5歳頃から下腿部痛を認めるようになったため,近医・整形外科を受診した.医師から「筋肉の未発達のためではないか?少し様子をみるように」といわれたため,体操教室に入り,筋力強化に努めた.1年ほど継続するも歩行時間の遅延やボール投げの距離の低下など,徐々に周囲の友達との差が目立つようになり,6歳時に精査のため当院受診した.下肢の仮性肥大を認め,血液検査にて血清クレアチンキナーゼ(CK)12,772 IU/Lと筋酵素の上昇を認めた.デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)を疑い,ジストロフィン遺伝子の遺伝学的検査(PCR法)を行うも異常は認められなかった.さらなる精査として筋生検を提案したが,希望されなかった.その後は,当院にて関節可動域訓練を中心とした理学療法を実施しながら経過観察を行った.
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