Round Table Discussion
膵・胆道がんにおける悪液質の病態と治療
古瀬 純司
1
,
髙山 浩一
2
,
岸和田 昌之
3
,
光永 修一
4
,
天野 晃滋
5
1杏林大学医学部腫瘍内科学 教授
2京都府立医科大学大学院医学研究科内科学呼吸器内科学分野 教授
3三重大学医学部附属病院肝胆膵・移植外科 准教授
4独立行政法人国立がん研究センター東病院肝胆膵内科
5国立がん研究センター中央病院緩和医療科 医長
pp.4-10
発行日 2022年3月31日
Published Date 2022/3/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0118.02.02_0004-0010
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がん悪液質は,栄養不良により衰弱した状態を示すべく古くから用いられてきた概念である。患者の活動性や生活の質(quality of life:QOL)を低下させるだけでなく,根治を目指す治療においてその耐用性を著しく低下させ,予後を悪化させることなども問題視されている。これまで,がん悪液質に対する有効な治療手段は確立されてこなかったが,2021年にわが国で新規の経口グレリン様作用薬であるアナモレリンが承認され,がん悪液質の患者における体重および筋肉量の増加,ならびに食欲の亢進作用が期待されているところである。今回はがん診療において,悪液質治療に携わる専門家とともにがん悪液質の現状と新たな治療選択肢の位置づけ,今後の展望について討論いただいた。
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