胆道がん・膵がん-診断・治療Q&A-
Q1. IPNBの新しい分類(Type Ⅰ,Ⅱ)について教えてください
窪田 敬一
1
1獨協医科大学病院 病院長・第二外科 教授
pp.31-32
発行日 2021年12月30日
Published Date 2021/12/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0118.02.01_0031-0032
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胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of the bile duct:IPNB)は,胆管内に乳頭状増殖を示す上皮内腫瘍で,組織学的には細い線維血管性の茎を有する腫瘍である1)。その定義に変わりはないが,2019年にType Ⅰ,Ⅱに分類する新分類が提案された2)。そこに至った経緯を含め,新分類について説明を加えたい。2010年,消化器腫瘍WHO分類(第4版)に胆管がんの前がん・早期がん病変として,胆管内上皮内腫瘍(biliary intraepithelial neoplasia:BilIN),IPNB,粘液性嚢胞性腫瘍(mucinous cystic neoplasm:MCN)の3つの分類が提示された1)。しかしながら,IPNBはlow grade adenomaから浸潤を伴った病変までのさまざまな組織学的分化度の病変を含み,さらに,肝内および肝外胆管に発生し,粘液産生能も異なる不均一な疾患群と考えられた。Intraductal papillary mucinous neoplasm of the pancreas(IPMN)のカウンターパートと認識されているが,各施設で病理学的診断基準が異なることに加えて,IPMNとの類似性,腫瘍局在を考慮した議論が不十分であった3)4)。
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