FOCUS
胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)とその外科治療
大塚 将之
1
,
清水 宏明
1
,
加藤 厚
1
,
吉富 秀幸
1
,
古川 勝規
1
,
高屋敷 吏
1
,
久保木 知
1
,
高野 重紹
1
,
鈴木 大亮
1
,
酒井 望
1
,
賀川 真吾
1
,
野島 広之
1
,
宮崎 勝
1
Masayuki OHTSUKA
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
pp.317-321
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211112
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of the bile duct:IPNB)は,胆管内腔に乳頭状増殖を示す胆管上皮性腫瘍を指し,膵管内乳頭粘液性腫瘍との類似性から新たな概念として提唱され,2010年のWHO分類1)では肝内外の前癌病変,あるいは癌病変として記載されている.しかし,一方で,特に以前より分類されていた乳頭型胆管癌との異同など,その疾患概念そのものについていまだコンセンサスは得られておらず2),やや混乱しているのが現状である.IPNBの治療の原則は外科切除であるが,術前の進展度診断を十分に施行したうえで切除術式を立案する必要がある.本稿では,IPNBの疾患概念と外科治療につき概説する.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.