肝内胆管癌と細胆管細胞癌
特殊型 胆管内乳頭粘液腫瘍(IPNB)
青木 琢
1
,
國土 典宏
1東京大学 肝胆膵外科・人工臓器移植外科
キーワード:
胆管腫瘍
,
乳頭状癌
,
膵管内乳頭腫瘍
Keyword:
Bile Duct Neoplasms
,
Carcinoma, Papillary
pp.1196-1200
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013010723
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WHO2010年分類では、肝内胆管癌に進展する前癌病変あるいは早期癌病変として、胆管内乳頭粘液腫瘍(intraductal papillary neoplasm:IPNB)と粘液嚢胞腫瘍(MCN-H)が記載され、膵における膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、MCNと同様、両者はovarian-type stromaの有無により区別されることになった。しかしながら、IPNBに関しては画像所見による分類の意義、粘液産生の多寡のもつ意味、背景に存在する胆道疾患の関与、腫瘍局在の偏りの原因、切除後の予後など、膵病変以上にコンセンサスの得られていない事項が存在し、真に膵IPMNのカウンターパートとなりうるかについてもさらなる検討が必要である。日本全国の施設が症例を持ち寄り、より多くの症例の臨床成績を解析することで、IPNBの疾患概念がより明確となり、病態の詳細が明らかとなることが今後期待される。
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