特集 ポストコロナ時代における食品衛生対策・感染症対策
1.COVID-19パンデミック時の行政対応とポストコロナにおける食品衛生対策
森田 幸雄
1
1麻布大学獣医学部獣医学科公衆衛生学第二研究室教授
pp.54-61
発行日 2023年12月22日
Published Date 2023/12/22
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.07.01_0054-0061
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2019年12月初旬に,中国の武漢市で,新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID-19)の第1例目の感染者が報告されてから,数カ月でパンデミック(世界的な流行)になった.日本では2020年1月15日に最初の感染者が確認された.2月1日にCOVID-19は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下,感染症法)の「指定感染症」に,3月13日には,2013年にパンデミックが懸念されていた新型インフルエンザ対策として存在していた「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(以下,対策特別措置法)の対象疾病にCOVID-19を加えた.この「対策特別措置法」により,政府による第1回の「緊急事態宣言(2020年4月7日から5月6日まで)」が東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県,大阪府,兵庫県,福岡県の7つの都府県に発出された.なお,緊急事態宣言は4月16日に全都道府県に拡大され,さらに多くの都道府県においては5月6日では終わらず延長された.
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