特集 COVID-19
総論
COVID-19に対する行政対応
田村 大輔
1
TAMURA Daisuke
1
1自治医科大学小児科
pp.58-64
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000010
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新型コロナウイルス感染症の法整備
2019年12月,中国・武漢市に出現した新型コロナウイルスは,2020年1月,国内でも初の感染者が確認され,その後,短期間で世界中に拡散していった。政府は,2020年1月28日,新型コロナウイルス感染症を「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)1)の指定感染症として定める政令と検疫法2)の一部を改正する政令を迅速に公布した。指定感染症の適応期間は1年(必要に応じて1年間の延長が可能)とした。さらに,2020年3月,国会審議を経て,新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)3)を改正し,新型コロナウイルス感染症を,限時付き(法令の有効期間を定めて立法された法令)附則(法令において付随的な事項を定めた部分)に位置づけた。これらの法整備により,感染症法の病原体一類から三類相当の対応を状況に応じて柔軟に選択し以下のような対策を講じることが可能になり,さらに,改正特措法では,政府や自治体からの要請や体制整備を迅速に行え,伝家の宝刀である緊急事態宣言の発出を明確な法的根拠をもって取り扱えるようになった。
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