特集 ノロウイルス研究の最前線
3.急性下痢症の診断と治療
倉井 大輔
1
1杏林大学医学部第一内科学教室 講師
pp.19-24
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.01.01_0019-0024
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急性の下痢は,クリニックや救急外来を受診する代表的な疾患で,その原因の多くは感染症に起因する.薬剤,アルコール,刺激物(カフェインなど),内分泌疾患(甲状腺機能亢進症,カルチノイド腫瘍など),消化器疾患(炎症性腸疾患など),重症感染症(非消化管感染)など原因も多岐にわたる.しかし,原因のいかんに関わらず,急性下痢症の大部分は自然軽快する.そのため,病原体診断は,原則的に重症度の高い患者とアウトブレイク時に限られる.また,治療の原則は脱水補正となる.経験的な抗菌薬投与は,重症例や旅行者下痢症では検討してもよい.本稿では,急性下痢症の患者をどのようにマネージメントするかを説明する.
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