The review of clinical study
JBCRG-C07(REIWA Study)
多田 寛
1
1東北大学大学院医学系研究科外科病態学講座乳腺・内分泌外科学分野准教授
pp.63-63
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.06.02_0063-0063
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現在,個々の患者や癌組織のゲノム情報を分析し,同定されるactionable変異の情報に基づいた治療法(matched therapy)を選択する「精密がん医療」が推し進められている。本邦において,2019年度よりがん遺伝子パネル検査が公的な保険医療のもとで開始された。FoundationOne® CDxがんゲノムプロファイル(以下F1CDx)はEGFR,ALK,BRAF,ERBB2などの体細胞遺伝子変異に対応する分子標的療法に対するコンパニオン診断および,上記の遺伝子以外の遺伝子の置換,挿入などの変異検出ならびにマイクロサテライト不安定性や腫瘍の遺伝子変異量などのゲノム・バイオマーカーの情報も提供される。F1CDxの保険収載後,欧米と比較して治験や臨床試験の少ない本邦においては,転移再発乳癌においてどれだけmatched therapyにアクセスできるかが不明である。また,今後治験の増加や,治療薬の適応外使用申請の簡略化,さらには遺伝子変異に対応した治験が多く行われてくるようになると,年次ごとに薬剤到達率が変化するものと考えられる。そのため本邦における遺伝子パネル検査の保険収載後の状況を明らかにすることとともに,現状のアクセシビリティを明らかにする目的で本観察研究を立ち上げた。
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