乳癌カレントトピックス
後期高齢者乳癌における内分泌療法
渡邊 健一
1
1国立病院機構北海道がんセンター乳腺外科医長
pp.49-51
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.04.01_0049-0051
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「高齢者」については法律などで明確に定義されているわけではない。地域における人口の高齢化を把握する目的では「65歳以上の人が総人口に占める割合」が国際的に用いられている。ちなみに平成28年総務省統計局のまとめでは,わが国の高齢者(65歳以上)人口は3,461万人,高齢者の割合は主要国では最高で,女性で30%を超えている1)。2008年4月,75歳以上を切り離した「後期高齢者医療制度」が発足したことで「後期高齢者」という言葉が一般に知られることとなった。元来は人口学や老年学の学術専門用語であり,75歳以上を「後期高齢者」,65~74歳までを「前期高齢者」と区別していた。2017年1月,日本老年学会と日本老年医学会の「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」は,高齢者の心身の健康に関するデータを検討,10~20年前と比べ,5~10歳程度の若返りが生じているため,高齢者の定義を現在の「65歳以上」から「75歳以上」と変更,65~74歳を「准高齢者」,75~89歳を「高齢者」,90歳以上を「超高齢者」という形で区分すべきであるとの提言を行った2)。これは今後,医療・介護などの高齢者施策にも影響を及ぼす可能性がある。医療現場においても,すでに65歳以上を「高齢者」として括ることは無理があり実情にそぐわない。何歳以上を高齢者として扱うかについては議論があったが,上記の提言なども鑑み,今後はいわゆる「後期高齢者」の75歳以上が妥当とされるかもしれない。
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