誌上ディベート
ネオアジュバント療法によりcN1からcN0となった乳癌に対し腋窩郭清は必要か? 論点整理
南 博信
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.33-33
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.04.01_0033-0033
- 有料閲覧
- 文献概要
乳癌の術後化学療法と比べた術前治療のメリットとして,効果を確認しながら治療できることや腫瘍縮小により乳房温存が可能となることなどがあげられる。乳癌周術期の化学療法を術後に行っても術前に行っても長期的な治療成績は変わらないことが示され,術前化学療法は標準治療として広く行われている。さらに,手術標本で病理学的効果を知ることにより,その患者での予後予測に役立てたり,腫瘍が残存していた場合には術後治療を追加することにより予後を改善できたりする。一方,cN0乳癌の手術においてセンチネルリンパ節転移が陰性であれば腋窩リンパ節郭清が省略できることも明らかとなり,センチネルリンパ節生検も標準治療として広く行われている。しかも最近ではセンチネルリンパ節転移が1~2個までであれば,腋窩郭清を省略できる場合があることも臨床試験で示された。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「必要である」とする立場から/坂東裕子・「不要である」とする立場から/枝園忠彦
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.