The review of clinical study
TAILORx試験
明石 定子
1
1昭和大学病院ブレストセンター准教授
pp.66-66
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.02_0066-0066
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OncotypeDXは,ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌に対し,腫瘍組織検体内の21遺伝子の増幅を測定スコア化し,10年間の遠隔再発予測を行う予後予測検査であり,補助療法としての化学療法の上乗せ効果をみる効果予測検査でもある。通常18点以下を低リスクとしホルモン療法のみ, 31点以上を高リスクとして化学療法の上乗せが推奨される。本試験では通常のcut offと違い,10点以下を低リスク,11-25点を中間リスク,26点以上を高リスクとして,中リスク群の補助療法としてホルモン単独群と化学療法上乗せ群に無作為化し,中リスクに対する治療法を決定することを目的として計画された。NCI,NIHがスポンサーとなりECOG主体に実施された。2015年9月に低リスク群のみの成績が発表され,5年遠隔無再発生存率99.3%と非常に良好な予後が得られることを前向きに示し,Oncotype DXで10点以下の場合はホルモン療法単独での補助療法の妥当性が示された。中リスク群の結果もまもなく発表される予定である。
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