ウイメンズヘルス
不妊症
髙井 泰
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科教授
pp.55-58
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.02_0055-0058
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近年の社会情勢により女性の結婚年齢は晩婚化する傾向にあり,少子化は今や社会問題となっている。こうしたなかで不妊症診療のもつ社会的意義はますます大きくなっているといわざるをえない。不妊症診療は,生殖メカニズムに関するさまざまな研究知見の集積を背景として,血中ホルモン動態などの測定,超音波検査やMRIなどの画像診断,腹腔鏡・子宮鏡下手術による診断および治療,ヒト配偶子・受精卵を対象とする生殖補助医療(assisted reproductive technology:ART。体外受精,顕微授精などの総称),専門知識に基づく看護や心理支援などきわめて多方面からのアプローチを必要とする。本稿では,不妊症の病態,不妊症診療に必要な検査および治療の進め方について概説し,併せて最近の不妊治療の動向や乳癌との関連について述べる。
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