薬物療法マネージメントのこつ
用量非依存性の薬剤有害反応
古武 剛
1
1京都大学大学院医学研究科乳腺外科学
pp.45-48
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.02.02_0045-0048
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「1 総論」抗癌薬の毒性の多くは用量依存性ですが,抗癌薬の投与によって生じる過敏性反応は用量非依存性に出現します。過敏性反応は,注入に伴う反応(infusion reaction)とアレルギー反応(アナフィラキシー反応含む)に大別されます。いずれも対応が遅れれば生命に危険が及ぶこともあり,迅速な処置が必要です。また,両者の臨床症状は類似していますが,その後の治療方針に大きな違いがあるためその鑑別は非常に重要です。「2 抗体製剤のinfusion reaction」 Infusion reactionは,抗体製剤投与中または投与後24時間以内に発現する過敏性反応の総称です。その発症機序は明らかにされておらず,IgEを介したⅠ型アレルギーの機序とは異なり,TNF-αやIL-6などのサイトカインの関与が想定されています1)。
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