Clinical Report
アルコール依存症を背景に肝硬変,肝細胞癌へ至った女性の一例
戸張 真紀
1
1東京女子医科大学八千代医療センター 消化器内科
pp.39-43
発行日 2019年7月30日
Published Date 2019/7/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.07.02_0039-0043
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
アルコール性肝障害とは,長期(通常は5年以上)にわたる過剰の飲酒が肝障害の主な原因と考えられる病態である。アルコール性肝障害をきたす飲酒量は,1日平均純エタノール60g以上の飲酒(常習飲酒家)で,女性やALDH2活性欠損者では,1日40g程度の飲酒でもアルコール性肝障害を起こし得る1)。アルコール性肝障害は男性に多い疾患であるが,近年では女性の社会進出に伴って若い世代を中心に女性飲酒者が急増し,女性のアルコール性肝障害も増加している。女性は男性に比べて少ないアルコール量でも肝障害をきたすため,注意が必要である。我々はアルコール依存症で,肝硬変,肝癌へ進展した女性の症例を経験したので報告する。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.