今月の主題 肝硬変と肝癌
肝硬変から肝癌へ
アルコール性肝硬変と肝癌
松田 芳郎
1
1金沢医科大学・消化器内科
pp.1570-1572
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221088
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大酒家における肝癌の発生頻度は非飲酒家のそれに比して明らかに高く,その発生要因としては肝硬変の合併頻度の高いことが考慮されてきているが,近年,アルコール(Al)と肝癌との直接的な因果関係も注目されてきている.また,Al性肝硬変における肝癌の合併頻度は他の原因による肝硬変のそれに比較して明らかに低いのであるが,近年,その頻度の高くなってきていることも指摘されてきている.Al性肝硬変に伴う肝癌例では,単に合併した肝硬変に肝癌が続発したものにすぎないのか,それともAlが肝癌の発生になんらかの促進的役割を果たしたのかが問題となってくるが,現在までのところ明確な結論はまだえられていない.
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