Visual View:基礎講座
アルコール依存症の基礎生物学 連載⑥ ギャンブル障害の心理生物学
廣中 直行
1
1株式会社LSIメディエンス薬理研究部
pp.6-10
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.02_0006-0010
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「非物質「嗜癖」とは何か?」近年,化学物質ではないものへの依存,すなわちDSM-5で「嗜癖性障害群」とされる問題が大きくなってきた。そこで,これから3回にわたってギャンブル,インターネット,人間関係への耽溺について考えてみたい。こうした問題は依存なのか,嗜癖と呼ぶべきか,それとも他によい呼び方があるのか,術語や概念はまだ固まっていないと思われる。しかし,臨床的,社会的には「嗜癖」あるいは「依存症」が通用するようになってきている。比較のためにアルコール問題を考えてみると,酒類を嗜好品として日常生活に支障のない範囲で摂取している人は多い。その一方で酒にのめり込み,そこから抜け出せない人もいる。これらを分けるのは何なのか?そこに生物学的な基盤があるとしても,重要なのは心理,こころの問題であることを感じている臨床家や支援スタッフは多いであろう。
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