若手ドクターの広場
英国でのアディクション留学体験
橋本 望
1
1独立行政法人岡山県精神科医療センター依存症精神科医長
pp.38-39
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.02_0038-0039
- 有料閲覧
- 文献概要
「はじめに」私は,ロンドン国立ギャンブル依存症クリニックに勤務する傍ら,キングスカレッジロンドンの精神・心理・神経科学研究所のアディクション部門で学んでいます。精神科処方ガイドラインなどで有名なモーズレイ病院に併設されたこの研究所では,アルコール,薬物,ニコチン部門がそれぞれ教授を擁し(アルコール部門は,Colin Drummond教授),臨床家,研究者,心理学者が共同してthe National Addiction Centerを形成しています。また,ここは「Addiction」というジャーナルの編集部がある場所です。質の高い講義や整った教育システムなどの恵まれた環境で,有意義な留学生活を送っています。「留学前の心境」日本では,アルコール依存症(以下,依存症)に関する正しい知識は未だ普及しているとは言い難く,依存症者に対する誤解に満ちた冷ややかな言葉を聞くたびに,悲しい思いになります。その多数派の雰囲気に押されて自分の意見が十分に伝えられず,もどかしい思いを何度もしてきました。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.