特集 Special Article:
内科医のための心理社会的治療 1.アルコール関連問題を抱える人に対する心理・社会的治療の実践
長 徹二
1
1三重県立こころの医療センター医長
pp.20-24
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.03.02_0020-0024
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「Summary」アルコール関連問題を抱える人は医療の指導を受けたがらないという声をよく耳にする。だからこそ治療を上手に提供する必要があるわけだが、本人の性格や意欲の持ちようを理由に諦められ、提供されないことも多い。なかでもアルコール依存症に至っては飲酒をコントロールできないという脳の疾患であり、その治療は一筋縄ではいかない。その治療の中心を担うのは心理・社会的な治療であり、関係性を重視し、「飲みたい」と「やめたい」の両価的な悩みに付き合い続けていくことが最も重要である。そのためには、本音で話すことができる関係性を構築し、自己効力感を高めながら、変わろうとする勇気を長期にわたり支えていくことを重視したい。本稿では、専門医療の内容を紹介し、そのなかで大切にしている要素について概説し、最後に内科医が実践するにあたり、心理・社会的治療における重要な要素として、①受容・傾聴、②橋渡しの2点に分けて具体的に解説する。「Key Words」心理・社会的治療,受容,アルコール依存症,間違い指摘反射,安心・安全感
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