国内学会・研究会報告 Conference Report
第64回 日本新生児成育医学会・学術集会
茨 聡
1
1鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児内科部長
pp.31-32
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.12.02_0031-0032
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第64回日本新生児成育医学会・学術集会が,2019年11月27日(水)~29日(金)の3日間,鹿児島市の桜島が一望できるSHIROYAMA HOTEL kagoshima(旧 城山観光ホテル)にて,約1,000名の参加を得て開催されました。本学術集会のテーマは「Intact Survival」(障害なき生存)であり,これまで生存不可能だと考えられていた低出生体重児や病的新生児の生存が可能となってきた要因として以下のようなものが挙げられます。各地での周産期医療施設の整備(regionalization:地域化)と周産期搬送体制の整備,体温管理の進歩,低出生体重児における脳室内出血,脳室周囲白質軟化症の予防,呼吸窮迫症候群に対する肺サーファクタント補充療法,人工呼吸器管理の進歩(高頻度振動換気法,患者同調型人工換気,Nasal CPAP,Nasal High Flow,INSUREなど),各種生体モニターの進歩(tcpO₂,tcpCO₂,SpO₂,EtCO₂など)[招待講演Cherry C. Uy先生(米国カリフォルニア大学アーバイン校医学部教授)],膜型人工肺を用いた呼吸循環補助(ECMO)の進化,一酸化窒素による新生児遷延性肺高血圧症の治療,低酸素性虚血性脳症に対する低体温療法,敗血症に対する血液浄化療法の進歩,災害対策などが挙げられます。本学術集会では,それらと今後の発展に関して討議を深めました。
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