特集 CURRENT TOPICS 消化器がんの内科的治療法の進歩
3 大腸がん 2)ESD
藤城 光弘
1
1名古屋大学大学院医学系研究科病態内科学講座(消化器内科学)教授
pp.42-45
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.16.02_0042-0045
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現在,わが国では年間2万5千件を超す大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(endoscopic submucosal dissection:ESD)が行われている。ESDのメリットは大きさや形態,粘膜下層の線維化の有無によらず,病変の一括切除が可能な点にあり,内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection:EMR)では一括切除が困難な,リンパ節転移の可能性が極めて低い粘膜内がん,もしくは粘膜下層軽度浸潤がんに対して,広く適応されている。欧米とアジアではESDの治療成績に大きな違いがみられ,欧米へのESDの普及と治療困難例の克服が今後の大きな課題である。
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