特集 CURRENT TOPICS 消化器がんの内科的治療法の進歩
4 肝細胞がん 1)薬物療法
古瀬 純司
1
1杏林大学医学部腫瘍内科学教室 教授
pp.46-49
発行日 2020年12月25日
Published Date 2020/12/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.16.02_0046-0049
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肝細胞がんに対する薬物療法は,切除手術,局所壊死療法や肝動脈化学塞栓療法(transcatheter arterial chemoembolization:TACE)など局所治療が適応にならない進行がんが対象となる。まずマルチキナーゼ阻害薬ソラフェニブにより初めて標準治療が確立した。その後,ソラフェニブとの比較試験により,レンバチニブおよびアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法の有用性が確認されている。二次以降の治療としてレゴラフェニブ,ラムシルマブが現在使用され,カボザンチニブも申請中である。さらに根治治療後の補助療法やTACEとの併用で大規模な臨床試験が進められている。肝細胞がんは薬物療法による予後の改善が見込まれるとともに,これらの薬剤をどのように使用していくかが臨床的課題となるものと考えられる。
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