特集 CURRENT TOPICS 4th GAST SUMMIT JAPAN学術講演会ハイライト
GI Research Topics:ピロリ内視鏡診断 1 除菌後発見胃がんの内視鏡診断─Green epitheliumの紹介も含めて─
八木 一芳
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1新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院消化器内科 特任教授
pp.21-25
発行日 2020年2月20日
Published Date 2020/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.15.02_0021-0025
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H.pylori除菌後に発見される胃がんは“がんらしさ”に乏しく,質的診断や範囲診断が難しい症例が稀でないことが報告されている1)。われわれは,狭帯域光観察(narrow band imaging:NBI)で緑色に見える上皮(green epithelium)2)に注目して除菌後症例を検討した結果,診断に有用な知見が得られた。このgreen epitheliumの紹介を含めて除菌後発見胃がんに関して述べる。まず症例1を示す。他院にて胃潰瘍で除菌を行い,その後,同院で年一回の内視鏡検査を行っていた。発赤部位を生検したところtub1がんの診断であったが,がんが視認できず当院に紹介された。当院の内視鏡でも通常内視鏡ではがんを視認できなかったが(図1A,実際のがんは白矢印),NBI観察に切り替えたところ,緑色の背景粘膜に囲まれた不整な粘膜像が視認できた(図1B,がんは黄色矢印)。緑に縁どられた茶色の病変としてがんの存在は指摘できたわけである。
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