画像診断レクチャー
内視鏡診断(拡大観察・NBIを中心に)―胃炎の拡大内視鏡診断─A-B分類および除菌後拡大像について
八木 一芳
1
1新潟県立吉田病院内科
pp.133-142
発行日 2012年1月25日
Published Date 2012/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104795
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はじめに
Helicobacter pylori(H. pylori)非感染の胃が本来の正常な胃である.幽門輪の周囲に幽門腺粘膜が,食道胃接合部から数mmには噴門腺が存在する以外は胃底腺粘膜である1)2).H. pylori感染により炎症が生ずると胃底腺粘膜は肛門側より萎縮が発生し,偽幽門腺化生粘膜に置き換わる.また,口側も噴門腺粘膜が拡がり,胃底腺粘膜は前庭部,体部小彎から消褪し始める1)2).正常の胃底腺粘膜では酸,ペプシンを分泌するための導管として,円形の腺開口部が密に配列している(Fig. 1a, c).腺窩上皮の腺窩は円形の腺開口部に一致する(Fig. 1a, b, d).一方,幽門腺粘膜の腺窩は円形の開口部は形成せず,横に溝状に拡がっている(Fig. 1e~h).蠕動が激しい幽門腺領域では粘膜の伸び縮みが必要であり,腺窩は粘膜の伸縮のために畳み込まれたような構造になっている(Fig. 1e~h).
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