特集 CURRENT TOPICS バレット食道研究の最前線
7 バレット食道の診断と治療,そして予防
木下 芳一
1
1島根大学医学部内科学第二教授
pp.35-38
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.11.01_0035-0038
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バレット食道は発癌リスクを有しており,高い発癌リスクを有する例の診断,治療,そして発癌予防が重要である。発癌リスクが高いと考えられているバレット食道例は高齢男性の喫煙者で,バレット食道の長さが長く,内視鏡観察でopen typeのピットを有し血管網がirregularな例である。ただし,日本人における検討は少なく日本での前向き研究が必要である。バレット食道からの発癌予防にはアスピリンやNSAIDs,スタチンそしてプロトンポンプ阻害薬が有効である可能性が示されている。「はじめに」食道扁平上皮の下端部が円柱上皮化生を起こしたものをバレット食道と呼んでいるが,このような変化の臨床的意義の大部分はバレット食道が発癌リスクを持つことである。バレット食道の発癌リスクの臨床的な検討が開始されたときにはバレット食道の有する年間発癌リスクは1~2%前後とかなり高いものであり1)2),さらに,欧米白人男性において食道癌全体に占めるバレット腺癌の頻度が増加し,50%を超えるようになったため大きな注目を集めた。
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