特集 CURRENT TOPICS バレット食道研究の最前線
6 食道胃接合部癌とバレット食道癌の相違
西 隆之
1
1東海大学大磯病院外科准教授
pp.30-34
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.11.01_0030-0034
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食道胃接合部癌とは組織型にかかわらず接合部の上下2cm以内に中心がある腫瘍で,バレット食道癌とはバレット粘膜から発生した腺癌である。診断には食道胃接合部の同定が重要であるが困難なことも少なくない。接合部癌の手術治療は,新しいガイドラインで切除・郭清範囲が示された。バレット食道癌に対する術式は,癌の進行度,腫瘍の占居部位,バレット食道の長さを考慮する。「はじめに」近年上部消化管癌において注目されている疾患として,食道胃接合部癌とバレット食道癌が挙げられる。接合部癌は従来「噴門部癌」1)や,「食道胃境界部癌」2)とも呼称され,その臨床病理学的特異性から独立した疾患として扱うかどうか,長らく議論されてきた経緯がある2)3)。一方バレット食道癌は,欧米では1970年代より急激に頻度が高まった疾患であり,わが国でも肥満や逆流性食道炎の増加を背景に増加傾向にある。
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