特集 CURRENT TOPICS バレット食道研究の最前線
3 バレット食道の日本と欧米の病理診断の違い
新井 冨生
1
1東京都健康長寿医療センター病理診断科部長
pp.19-22
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.11.01_0019-0022
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バレット食道に関して,わが国と欧米との間には食道胃接合部の定義,バレット食道の定義,バレット食道癌の発生母地となる粘膜の性状,粘膜内癌の診断基準において相違点がある。食道胃接合部の同定はバレット食道を論ずる前提として重要である。米国ではバレット粘膜癌の発生母地として腸上皮化生を有する粘膜が想定されているが,腸上皮化生の有無は癌発生率に影響を与えない。それぞれの立場を尊重しつつも,適正な診断基準を追求する努力を惜しんではならない。「はじめに」世界各国で開催される国際学会や出版されている医学雑誌や教科書を通して,知見や考え方の情報が交換され,種々の定義あるいは概念が構築されていく。バレット食道に関しても同様であるが,それでもわが国と欧米諸国との間に相違点がみられる。バレット食道に関しては,食道胃接合部の定義,バレット食道癌の発生母地となる粘膜,バレット食道の定義,粘膜内癌の診断基準において相違点がみられる(表1)1)。これらの諸点に関して詳細に解説する。
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