New Information of Glaucoma
新しい原発開放隅角緑内障の関連遺伝子・病態解明の可能性について
本庄 恵
1
1東京大学医学部眼科学教室 准教授
pp.32-37
発行日 2024年8月20日
Published Date 2024/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.68_0032-0037
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緑内障は進行性・不可逆性の視神経症[緑内障性視神経症(GON)]で,さまざまなストレスが加わることによる不可逆性の網膜神経節細胞(RGC)の消失を特徴としている.そのなかで,眼圧上昇は原発開放隅角緑内障(POAG)における主要な病態の1つで,従来はRGC死を引き起こしてGONを進行させる緑内障病態の根本原因と考えられてきた.しかし,特にわが国ではPOAGのなかでも眼圧が正常範囲内でも進行する正常眼圧緑内障(NTG)が数多く存在し,眼圧のみでは緑内障病態は説明できないことから,近年ではPOAGは多因子疾患として捉えられ,眼圧は病態の発症・進行における最大のリスク因子の1つと考えられている.同時に,現在のところ多彩な緑内障病態は十分に解明されているとはいえず,GONの進行を有意に抑制するエビデンスが証明されている治療は眼圧下降治療のみとなっている1).
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