これからの緑内障診療のために「緑内障と遺伝子」
②原発開放隅角緑内障のゲノムワイド関連解析
志賀 由己浩
1
1東北大学医学部医学系研究科眼科学教室 非常勤講師
pp.56-58
発行日 2020年3月12日
Published Date 2020/3/12
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.59_0056-0058
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緑内障の主要病型である原発開放隅角緑内障(primary open angle glaucoma:POAG)は多因子疾患であり,遺伝要因と環境要因が発症にかかわることが知られています.POAGの遺伝背景には2つのパターンがあります(図1).1つ目は,ある一つの遺伝子(原因遺伝子)の変異でPOAG を発症するタイプです.前編でお示しした通り,このタイプは頻度が1%未満の稀な変異によって引き起こされます.2つ目は,遺伝的影響度が少ない多数の遺伝子マーカーが累積してPOAG発症のリスクを高めるタイプです.大部分のPOAGがこのタイプに当てはまり,このタイプのゲノム解析にはゲノムワイド関連解析(genome-wide association study:GWAS)という手法が用いられてきました.
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