目でみるシリーズ 画像でみる緑内障の病態
第5回 緑内障診療における前眼部画像解析
坂上 悠太
1
1新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター眼科特任助教/新潟県地域医療推進機構魚沼基幹病院眼科医長
pp.1-8
発行日 2015年8月31日
Published Date 2015/8/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0024.01.50_0001-0008
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「はじめに」1990年代に超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicroscopy:UBM)は,前眼部,特に隅角,毛様体の微細構造を描出し,閉塞隅角症および閉塞隅角緑内障の診断と治療を大きく変革させた.UBMが臨床的に有用であることは十分に認識されているが,コスト的な問題があり,残念ながら一般臨床の場で汎用されるには至っていない.その後,角膜形状解析を主とした装置が緑内障に関連する前眼部の解析に用いられたが,用途は限定されていた.一方,光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)の進歩はめざましく,現在では網膜硝子体疾患ならびに緑内障の診療に必須の装置となっており,日本国内ではすでに一般臨床の場に広く普及している.後眼部用のOCTに前眼部用モジュールを装填して,簡易的に前眼部の観察を行うことができる一方で,前眼部観察に特化したOCTが開発され,特にSwept source方式によるOCTは短時間に高解像度の画像を取得することができ,簡便かつ有用である.
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