特集 OCTによる緑内障診療アップデート
5 前眼部OCTによる緑内障診療
横山 勝彦
1
1大分大学医学部眼科学講座
キーワード:
前眼部OCT
,
緑内障
,
原発閉塞隅角病
,
MIGS
Keyword:
前眼部OCT
,
緑内障
,
原発閉塞隅角病
,
MIGS
pp.1203-1212
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003356
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前眼部OCT(optical coherence tomography)は前眼部を構成する組織の詳細な断面像を非接触性,非侵襲性で簡便に撮影でき,角膜,虹彩,水晶体,強膜などの詳細な断面像を取得できる。隅角においても線維柱帯やSchlemm管を判別することができる(図1)。前眼部OCT(CASIAおよびCASIA2)は眼底OCTよりも光源波長を1,310nmと大きくした赤外光を利用することにより,光の散乱が少なく,画像の組織侵達性が高く,測定深度を向上させており,スウェプトソース方式により,360度全周を1回の撮影で記録し,3次元解析も可能である。CASIAによる各種パラメータの測定には強膜岬の同定が必要であるため,前眼部OCTを緑内障診療に活用するにあたり,隅角を構成する各部位を正しく認識することが重要である。強膜岬は強膜とぶどう膜の境界線の延長に位置し,CASIA2は自動で強膜岬がプロットされるがときに位置ずれをきたすため,マニュアルでの修正が必要である(図2)。
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