連載
グラビア・目で見るホルモンと行動 ―オキシトシン分子ネットワークと行動異常―
東田 陽博
1
,
山本 靖彦
2
1金沢大学子どものこころの発達研究センター特任教授
2金沢大学大学院医薬保健学総合研究科医学専攻血管分子生物学教授
pp.4-7
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.28.03_0004-0007
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オキシトシンは,視床下部の神経分泌細胞の細胞体や樹状突起から直接脳に,また軸索終末から循環血液に分泌される。よく知られた子宮や乳腺などにおいて生殖過程に平滑筋の収縮などの生理学的役割を果たす。一方,脳局所で放出されたオキシトシンは自己および隣接する神経分泌細胞で,オキシトシンを誘発し放出するオートクリン(自己分泌)またはパラクリン(傍分泌)を生じる1)。オキシトシンはオキシトシン受容体を活性化し,細胞内の遊離カルシウム(Ca2+)濃度を上昇させ,オキシトシンを分泌する(図1)1)-3)。
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