連載
ホルモンQ&A
山崎 玲奈
1
,
小野 政徳
2
1金沢大学医薬保健研究域医学系産科婦人科学
2金沢大学医薬保健研究域医学系産科婦人科学講師
pp.72-75
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.25.02_0072-0075
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A1:授乳中は,月経再開が抑制されるため,子宮内膜症リスクが低下することは予測されていたが,今回大規模な20年間以上に及ぶ前向き研究でこれが証明され,2017年に『BMJ』に発表された1)。米国のNurses’ Health Study Ⅱに登録された妊娠歴のある女性72,394人を対象に,母乳栄養と子宮内膜症の関連が前向きコホート研究で検討され,母乳栄養期間が3ヵ月増えるごとに子宮内膜症のリスクがハザード比0.92(95%信頼区間(CI)0.90~0.94,p < 0.001)で8%有意に低下し,完全母乳では同0.86(95%CI 0.81~0.90,p < 0.001)で14%有意に低下することが示唆された1)。生涯に母乳栄養を合計36ヵ月以上行った女性は,全く母乳栄養を行わなかった女性に比べ,子宮内膜症リスクが40%低かったと報告された1)。また,過去5年以内に分娩している女性ほど母乳育児が内膜症リスク低下と強く関連していることも報告されている2)。
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