連載
ホルモンQ&A
鈴木 大輔
1
1福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療支援センター特任講師
pp.74-76
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.24.04_0074-0076
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
A1:『ホルモン補充療法ガイドライン2017年度版』には60歳以上または閉経後10年以上の新規投与は慎重投与とすべき旨が記載されている1)。2007年の「postmenopausal hormone therapy and risk of cardiovascular disease by age and year since menopause」と題するWomen's Health Initiative (WHI) の研究論文において,結合型エストロゲン単独あるいは酢酸メドロキシプロゲステロンとの併用により,閉経後10年以内の症例では冠動脈疾患の絶対リスクは10,000人・年あたり6名の減少があるのに対し,10~19年では4名,20年以降では17名の増加があったと報告された2)。また,年齢別でも50~59歳では2名の減少が,60~69歳でも1名の減少がみられたのに対し,70~79歳では19名の増加がみられている。一方,脳卒中は全体では有意の増加がみられたが,年齢や閉経後年数との間には関連性がなかった。ホルモン補充療法 (hormone replacement therapy;HRT) の投与開始年齢と副作用との関連については,静脈血栓塞栓症と認知力の低下のリスクがやはり年齢や閉経後年数と関連したとされている3)。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.