特集 生殖医療UP-TO-DATE
胚凍結
向田 哲規
1
1広島HARTクリニック院長/理事長
pp.41-48
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.23.03_0041-0048
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「Summary」ヒト生殖補助医療(assisted reproductive technology;ART)において,余剰胚の低温保存は重要な治療技術の1つであり,体外受精で得られた胚のうち,新鮮な状態で移植したあとの余剰胚を低温保存しておくことで採卵を毎回行う必要がないことから患者の負担が軽減され,凍結胚移植を加えることで1回の採卵周期あたりの妊娠率を向上させることができる。そのうえ,移植胚数を減らすことで多胎の防止にも役立ち,子宮内環境不良や卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome;OHSS)の発症・増悪が考慮されるなどの新鮮胚を移植することが不適当な症例ではすべての胚を保存し,その後の排卵確認周期または子宮内膜作成周期で移植することが可能である。現在,世界に先駆けて日本人医師,研究者らによって臨床的に確立されたガラス化法が凍結保存法の主流となり,高い臨床的有用性が示されている。「Key words」胚凍結保存,緩慢凍結法,ガラス化法,ヒト胚盤胞の低温保存
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