特集 DOHaD
DOHaDと環境化学物質
野原 恵子
1
1国立研究開発法人国立環境研究所環境健康研究センターセンター長
pp.53-57
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.04_0053-0057
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「Summary」胎児は,臍帯血を通して母親が取り込んだ内分泌かく乱化学物質をはじめとしたさまざまな環境化学物質に曝露される。胎児は多くの化学物質に対して感受性が高く,化学物質の胎児期曝露が生後や生涯にわたって各種疾患のリスクを高めることを示す証拠が,動物実験や疫学研究で蓄積されている。動物実験による最近の研究では,化学物質の胎児期曝露によって成長後に現れる影響がエピジェネティクスによって数世代にわたり継承されることも報告されている。DOHaDは個人にとどまらず,世代を超える課題である。「はじめに」環境中にはさまざまな化学物質(環境化学物質)が存在している。ヒ素などのように地球の構成成分であり有害性の高い物質や,ダイオキシン類など人間の活動に伴って非意図的に生成され環境中に放出されるもの,さらに新たに合成され使用されることによって環境中に放出されるものなどがある。「Key words」環境化学物質,内分泌かく乱化学物質,胎児期曝露,エピジェネティクス,継世代影響
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