連載 公衆衛生Up-To-Date・11
[国立環境研究所発信:その1]
環境分野におけるDOHaD研究
野原 恵子
1
1(独)国立環境研究所環境健康研究センター分子毒性機構研究室
pp.1019-1021
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102912
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はじめに
国立環境研究所環境健康研究センターでは,環境中に存在する化学物質,すなわち環境化学物質などの健康影響について,疫学研究と動物実験などによる実験的研究の両面から研究を進めており,また2010年からは,環境省のエコチル調査(子どもの健康と環境に関する全国調査)を推進するためのコアセンターが置かれている.筆者が所属する実験的研究グループでは,これまでにダイオキシンの胎児期曝露の影響研究などを行っている.その研究の過程で胎児期曝露の影響が子の成長後に現れるという現象が観察されることがあったが,当時はそのような現象を系統立てて研究することはなかった.しかし2000年代中頃から,“DOHaD(developmental origins of health and disease)”の考え方が広まり,環境化学物質の胎児期曝露の後発影響をDOHaDの1例として考えることができるようになった.
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