特集 臨床検査の新しい展開―環境保全への挑戦
Ⅰ.地球環境の現状とその保全
1.化学物質と環境
浦野 紘平
1
Kohei URANO
1
1横浜国立大学物質工学科環境安全工学研究室
pp.1198-1207
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904208
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
化学物質の種類
20世紀に入って,人類は多くの化学物質を生産,使用するようになった.現在,米国化学会のChemical Abstract Serviceには,天然物や研究用の物質などまで含めて約2,000万種類の化学物質が登録されていて,1年間に100万種類以上も増え続けている.このうち日本では,約7~8万種類の物質が商業的に製造・輸入され,使用されている.
化学物質を分類すると図1のようになる.すなわち,天然物とその加工品,および石油などから合成されて工業用の原料や副資材となり,一部が最終製品にも含まれてくる工業薬品や農薬などの合成化学物質のほかに,廃棄物の焼却や農薬生産などに伴って生成するダイオキシン類,水道の塩素消毒やパルプの塩素漂白などに伴って生成するトリハロメタンなど,作りたくないのにできてしまうもの(非意図的生成物質)もある.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.