特集 オミックスが拓く生殖医学の未来
プロテオミクス(2) プロテオーム解析を用いた子宮内膜症血清マーカーの開発
鍋田 基生
pp.19-24
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.01_0019-0024
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「Summary」子宮内膜症の診断は腹腔内所見による確定診断が推奨されるが,実際には確定診断がなされない臨床子宮内膜症として治療することも多い。既存の血清マーカーであるCA125は感度が低く,かつ初期病変や軽症例を診断することは困難である。高精度な血清診断マーカーの確立を目的に,プロテオーム解析を用いて子宮内膜症に特異的な自己抗体を同定した。ELISA法で解析すると,抗PDIK1L自己抗体,抗Syntaxin5自己抗体は子宮内膜症で有意に高値であり,CA125との併用で診断精度をさらに高めることが可能である。「はじめに」子宮内膜症は生殖年齢女性の約10%に発生し,月経痛と不妊症の原因となることにより女性のquality of lifeを著しく損なう疾患である。日本産科婦人科学会編『子宮内膜症取扱い規約』では,子宮内膜症の確定診断は腹腔鏡あるいは開腹にて腹腔内所見を直視下に確認することが基本理念となっており,くわえて組織学的所見も重要である1)。「Key words」子宮内膜症,プロテオーム解析,血清マーカー,抗PDIK1L自己抗体,抗Syntaxin5自己抗体
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