特集 各がん種のoncology領域や薬物療法の進歩、この5年間で何がどう変わった?
乳がん
尾崎 由記範
1
1がん研有明病院乳腺センター 医長 先端医療開発科併任
キーワード:
トラスツズマブ デルクステカン
,
サシツズマブ ゴビテカン
,
ダトポタマブ デルクステカン
,
カピバセルチブ
Keyword:
トラスツズマブ デルクステカン
,
サシツズマブ ゴビテカン
,
ダトポタマブ デルクステカン
,
カピバセルチブ
pp.31-36
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.03_0031-0036
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近年、乳がん治療における薬物療法は、分子標的治療や免疫療法の進展により大きな変革を迎えている。2020年以降、日本においても複数の薬剤が新たに承認あるいは適応拡大され、HER2陽性乳がんに対するトラスツズマブ デルクステカン、HER2-lowやultralowに対する適応拡大、TROP2を標的としたサシツズマブ ゴビテカンやダトポタマブ デルクステカン、AKT阻害薬カピバセルチブ、さらにTNBCに対する術前術後ペムブロリズマブ、再発高リスクのHR陽性HER2陰性早期乳がんに対するアベマシクリブやテガフ・ギメラシル・オテラシルカリウムなど、多様な作用機序をもつ薬剤が治療選択肢に加わった。本稿では、これら新たに承認されたあるいは適応拡大された薬剤について、作用機序、主要臨床試験の結果、および臨床における意義を概説する。乳がんにおける個別化医療の進展とともに、治療戦略の最適化が進むなか、今後もバイオマーカーを指標としたさらなる個別化が期待される。

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