最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 がんの終末期を支えるには
乳がん
岩瀬 弘敬
1
1熊本大学 大学院生命科学研究部乳腺・内分泌外科
キーワード:
腫瘍多剤併用療法
,
骨腫瘍
,
腫瘍再発
,
乳房腫瘍
,
発生率
,
皮膚腫瘍
,
ターミナルケア
,
AC Protocol
,
JET Protocol
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Breast Neoplasms
,
Bone Neoplasms
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Skin Neoplasms
,
Terminal Care
,
Incidence
,
AC Protocol
,
JET Protocol
pp.1109-1113
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056476
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乳がんは他臓器に比べ罹患年齢,死亡年齢が比較的若く,早期であれば治癒率は高いが,臓器転移をきたすと根治は不可能であり,QOLを低下させない延命が治療の目標となる.このことをわかりやすい言葉で患者に伝えるのが重要である.乳がんの好発転移臓器は,局所の皮膚,リンパ節などの軟部組織,骨,肺・胸膜,肝,脳などである.術後の経過観察としてCTや骨シンチによる厳密な検査を繰り返し行うことは得策でない.乳がんには,ホルモン療法,化学療法,分子標的療法などの薬物療法によく反応するサブタイプがあり,特定のタイプは再発後の治療経過も比較的長い.終末期にはQOLを低下させるようなさまざまな病態をきたす.おのおのの症状に対しては,乳腺腫瘍医のみならず,多診療科,多職種の力により,患者の苦痛を和らげることに全力を尽くすべきである.
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