View-point がん診療 「乳がん」
乳がんについての臨床的概論
尾崎 由記範
1
,
高野 利実
1
1虎の門病院臨床腫瘍科
pp.98-103
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200051
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1 疫学
日本人女性の乳がんの粗罹患率は人口10万人対110.5人であり(2011年)、悪性腫瘍のなかで第1位である。年齢別罹患率は30歳代から増加を始め、45〜49歳と60〜64歳で多い。乳がんのリスクファクターとしては、加齢、乳がんの家族歴、初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産歴がない、出産年齢が遅い、授乳歴がない、ホルモン補充療法歴がある、肥満(閉経後)、高脂肪食、アルコール摂取、喫煙などが挙げられる。BRCA(breast cancer susceptibility gene)1、BRCA2遺伝子変異のキャリアは高率に乳がん、卵巣がんを発症することが知られている(遺伝性乳がん卵巣がん症候群hereditary breast and ovarian cancer:HBOC症候群)。
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