特集 神経難病に挑む―診断学から治療学へ―
特集にあたって
中原 仁
1
1慶應義塾大学医学部神経内科 教授
pp.5-5
発行日 2024年12月10日
Published Date 2024/12/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.41.04_0005-0005
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米国において患者数が20万人以下である疾患を“orphan diseases”と呼ぶ。いわゆる「希少疾患」である。米国国立衛生研究所(NIH)では約7,000の希少疾患が把握されているが、その多くは神経疾患、すなわち「神経難病」である。神経難病を扱う神経内科はしばしば「第三内科」に属していたが、「わからない、なおらない、でもあきらめない」の「三ない」だと揶揄された。それでも神経学を志したのは、ことさら難解な神経診断学が大好きな変わり者でなければ、なす術もない神経難病に苦しむ患者や家族を前に死神のようなムンテラしかできない自身の無力を耐え忍びながらも、「21世紀は脳の時代」を信じて止まなかった勇者であったように思う。本特集号にご寄稿いただいたのは無論その後者の方々である。
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