臨床医からの質問に答える
CCR4蛋白検査の意義を教えてください
大島 孝一
1
1久留米大学医学部医学科病理学講座
pp.1447-1450
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103792
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
背 景
悪性リンパ腫は,この5年間で治療の進展があった.抗CD20抗体医薬〔リツキシマブ(rituximab)〕によって,B細胞性リンパ腫の治療成績,奏効率,予後は,著明に改善をみている.また,リツキシマブ維持療法が低悪性B細胞性リンパ腫の無増悪期間の延長をもたらしている.一方,T細胞性リンパ腫では,抗CCR4(C-C chemokine receptor type 4)抗体による治療効果が期待されている.さらにB細胞性リンパ腫のCD22に対する抗体治療,ホジキンリンパ腫,未分化大細胞型に対するCD30抗体治療,ALK(anaplastic lymphomakinase)陽性の未分化大細胞型に対するALK阻害剤と新規薬剤の出現が期待されている.これら分子標的薬の効果に対する体外診断はますます重要となり,病理・血液検査への期待・責任は増してきている.本稿では,CD20について一般的な抗体治療・検査の解説を行い,さらにCCR4について解説を行いたい.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.