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従来の内視鏡外科手術の欠点を克服すべく,内視鏡手術支援ロボットda Vinci® Surgical System(DVSS,Intuitive Surgical社)が開発され,このDVSSを使用したロボット手術が近年急速に発展してきている。わが国でも,先進医療Bにおいて従来の腹腔鏡下胃切除(laparoscopic gastrectomy:LG)よりもロボット支援下胃切除(robotic gastrectomy:RG)では合併症が有意に低くなることが示され1),2018年4月にはRGを含めた12術式のロボット手術が一気に保険収載された。さらに,2020年4月にはさらに7術式が新たに追加され,ロボット手術の施行件数は急速に増加の一途をたどっている。当院では2009年よりいち早くDVSSを導入し,自費診療下に胃がん,食道がんに対するロボット手術を施行してきた。RGにおいてはLGと比較して術後合併症が有意に減少することを報告し2)3),長期予後はLGとほぼ同等であることを報告してきた4)。食道がん手術においても,従来の胸腔鏡手術よりも術後合併症が有意に減少することを報告してきた5)。保険適用となった2018年4月以降は胃がん,食道がんに対する根治術の第一選択をロボット手術とし,現在ではそれぞれ複数の術者が安全に施行できるようになってきている。しかし,ロボット手術は,日本内視鏡外科学会(JSES)が提言した術者基準,施設基準に関する指針6)や,DVSSの高いコストなどのさまざまな制約があり,一部の限られた施設のみで行われているのが現状である。本稿では,当科のロボット手術教育システムの概要と実績について紹介する。「KEY WORDS」ロボット手術,手術教育,カダバートレーニング
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