連載 Medical Scope
多発性硬化症におけるエピジェネティクス機構
磯部 紀子
1
1九州大学大学院医学研究院神経内科学 特任准教授
pp.59-62
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.01_0059-0062
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多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)は中枢神経系の自己免疫性脱髄性疾患である。若年女性に好発し,その発症に遺伝的要因と環境要因が関わる多因子疾患である。世界においてMSの有病率は増加傾向が続いており,特に女性における増加が著しいとされる。その要因として,環境要因の変化,遺伝的要因と環境要因との相互作用に加え,エピジェネティックな機構の関与も想定されている。MSについての疫学を含む総論的事項から,発症や経過に関わるエピジェネティックな機構まで,最新の研究で得られた知見も含め紹介する。
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